シェルマン グランドコンプリケーション × アルキメデス・スパイラル限定仕様 出来ました!
アルキメデス・スパイラルでシェルマン・オリジナル・ウオッチを取扱いはじめて約半年。
現代のプロダクトでは異彩に映るほどの繊細で美しいデザインに惚れこんでスタートさせていただきましたが、
半年経った今あらためてシェルマン磯貝 社長とお話しさせていただき、展開して感じた素朴な疑問をぶつけてみました。
Q:シェルマン・オリジナルへの想いとオリジナルを他の時計専門店が販売する事についてどのようにお考えですか?
率直にうれしい。これまでの長いプロセスがあります。
シェルマン・オリジナル・ウオッチは1996年表参道店の25周年のノベルティーとして、
当時シチズンが持っていたパーツを組み合わせて作成した所から始まりました。
製作当時、シチズン時計の開発部では、メーカーのモノづくり体質として、製品化されない
、開発者の想いが伝わらないモデルが沢山あったようだった。
〝安く作る・安く・沢山販売する・安ければよい〟 という大量消費時代に、
たまたまシェルマンに立ち寄ったシチズンの社員が見かけたのは、
ごく一般的な会社員がローンを組んで100万円のアンティーク・ウオッチを購入している姿であり、
そこに魅了されている価値観であった。
この価値観に深く感銘され、何とか自社に取り入れたいという思いから
シェルマンとシチズンが協業に向かって意見交換を行うようになり、
やがてオリジナル・ウオッチ製作という形に繋がっていった。
様々な試行錯誤の末に出来あがったシェルマン・オリジナル・ウオッチを、
シチズンの開発者たちは、自分たちが長い間思い描いていた理想の形を製作出来た喜びから、
(通常OEMは、製造元の会社名は出されないのが一般的であるが)
自らプレス発表を行ったという事実は、
当時の開発者たちの興奮と新たな可能性に対する挑戦の思いが感じられた。
私たちシェルマンとしても良いモノが出来たと自負していたが、自信が確信に変わった瞬間だった。
発売して間もなく、スイス ラ・ショー・ド・フォンの国際時計博物館から
〝展示出来るかどうか分からないけど時計を送って欲しいと〟いう電話を受けた。
その時は、出所も分からない所がと思ったが知人から博物館の権威を聞き、スイスに行く機会に直接手渡してもらった。
ほどなく博物館から来た回答は、
〝これは、クオーツとか機械式を越えた完成された美しさを持つ時計である。
ぜひパーマネント・コレクションとして展示させていただきたい。〟
というこれ以上ない賛辞であった。
この時、大量生産の廉価品であったクオーツに新たな価値を見いだせたように思え、非常に高揚した気持ちは今でも鮮明に覚えている。
このようにして17年が経過した今でも、古くなっている気がしない。
1932年のパテックをいま販売しても古臭く感じないのと同じように。
このモデルには、価値観の複雑な様々な人が共感していただける魅力があると感じている。
自分たちも売るというアプローチではなくて、見ているうちに自然に好きになっていてオススメして、気に入った方に購入していただけるというように感じている。
製作当時、売れるモノ→売れるモノ→売れるモノへの流れではなく、モノの本質を捉えたデザインを心掛けた。
価格に対して強いこだわりを持っている。値引き販売を行わない事をお願いしている。
取扱いの条件は、後発で同じ機能を持つモデルは沢山あるが、シェルマン・オリジナル・ウオッチをきちんと魅力を理解し、分かってもらえるかどうかという所にある。
また良さを理解していただくには一時的にスポットで取り扱っても意味が無く、このモデルに対して違いを見いだせる店舗かどうか。
地域で一番時計を良く理解していると思われる店舗で価値観を共有したい。
Q:アルキメデス・スパイラルについて?
時計を好きな人間が運営しているイメージ。
割と広い間口を持ちながらも、メーカーから次々と発売される新作を作業的に右から左に流すのではなく、
修理体制まで含めたしっかりとした接客姿勢は、お客様との結びつきを大切にしている印象。
時計専門店として、販売したいモノは選べるから一過性で終わるものではなく、
お客様に長く愛していただけるモノをご提案したいと思う気持ちとコンセプト(こだわり)があるかどうかという部分で、
お客様の層は違っても、根底で共感出来る部分があると感じている.
これからのシェルマン・オリジナル・ウオッチについて?
マーケットの流れに合わせるのではなく、こだわりのある良品であるという事を前提として、想いを持ってこれからも開発していきたい。
毎回デザインへのこだわりは細部にまでいたるが、コンセプトにあるのは、
パテック・フィリップが1932年に発表したモデル96 のように、すっきりとしてバランスの取れたデザインを心掛けていること。
昔の時計は余計なモノをどんどん取り払っても安っぽくならない、これは非常に難しい事である。
複雑な機能を兼ね備えながらも極力見た目はシンプルに表現したい。
1996年当時、〝クオーツ自体の価値=安価な使い捨て〟 であった。
その時代に、古いか新しいか、どこの国で作られたか等という基準ではなく、どこまでお客様の思いに寄り添えるかという事からこの時計はスタートした。
機械式のコンプリケーション・ウオッチは、非常にデリケートで日常使いに不向きであり、
シェルマン・オリジナルが誕生するまではコンプリケーション・ウオッチを日常使いする事はどんな資産家でも叶わない思いであった。
これからも原点を大切にしていきたい。
磯貝社長ありがとうございました。
磯貝社長にお話を伺い、あらためて シェルマン・オリジナル ウオッチは、
一つのセレクトショップのオリジナルウオッチという枠を大きく超えて、日本が世界に誇れる独自性を持ったブランドであると 強く感じました。
僕達も磯貝社長の想いを理解し、一人でも多くのお客様とその価値を共感できればと思います。
このたびシェルマンの皆さんに頼みこみ、
シェルマン グランドコンプリケーション クラシックの文字盤に、グレーのマットクロコダイル ストラップを採用した
"アルキメデス・スパイラル 限定仕様"が誕生しました!
ウオッチ・ストラップにはこだわりのあると(自称する)アルキメデス・スパイラルのスタッフが皆で選んだこの組み合わせは、
オリジナルモデルとは異なる雰囲気を放っており、
この文字盤のデザインの深さに感心すると共に、みなさんに自身を持ってお勧め出来る納得の出来映えに満足しています。
ぜひ、店頭でオリジナルモデルと見比べて見てください。
この時計の新たな魅力にひきこまれる事まちがいなしですよ!
SHELLMAN ORIGINAL WATCH
-GRAND COMPLICATION CLASSIC Archimedes Spiral Limited.-
Posted at:2012年12月30日