ORIENT FLASH 1964⇒2010 vol.01
国産時計好きならば、誰もがニンマリとしながら、この時計について語ったものである。1964年に誕生した「照明機能付腕時計」その名もFLASH。豆電球を使用し、ガラスの内側にダイヤモンドカットを施し、文字盤外周に反射リングをセット。電源となる電池は時計のケース裏蓋内側に内蔵されており、二時位置のボタンを押すと発行する仕組みである。
東京オリンピック開催の年に誕生した、オリエント史上5本の指に入る、オリエントスピリットの象徴的モデルである。マニアのお宝アイテムとして、時計展示会では参考商品として出品され、点灯を試みようと思うと、係の人に激怒される過保護モデルでもあった。
1年半以上も前に、復刻を試みようとするオリエントさんの話を聞いた時、正直笑ってしまった。「さすが、オリエント」と思わされるモデルだったからである。1960年~1980年代、オリエントを含む国産時計は文字とおりオモシロイ時計をたくさん製造していた。TVウォッチにラジオウォッチ、ボイスレコーダー付、温度、脈拍計付、風速計、パンチング測定付、64石に100石、1000m、ジウジアーロに007など、ありとあらゆる時計を製作し、最も旺盛な時期であった。
Posted at:2010年11月29日